デトロイト・メタル・シティ

『オレは音楽に感謝している
ミュージシャンにならなければ
猟奇的殺人者になっていたから…』
インディーズで超カリスマ的人気デスメタルバンド、デトロイト・メタル・シティDMC)。中でもボーカルのクラウザーⅡ世の人気はすさまじく、言動の一つ一つが伝説となる。そのカリスマ性と人気を無視できなくなったライバルたちを対バンで蹴散らしながら、音楽界の頂点を目指す!
デトロイト・メタル・シティ (1) (JETS COMICS (246))


という漫画ではありませんよ。


白塗りに黒で縁取った目と口、額にかいた殺の文字。ライブ会場では「SATSUGAIせよ!」「オレが本当のレイプのやり方を教えてやる!」などと吼えまくるクラウザーさんの中の人は、カヒミカリイとスウェディッシュポップが好きな気弱青年・根岸崇一。本当に自分がやりたい音楽と現在の状況の違いに苦悩しつつ、そのギャップから発生するトラブルに困りまくるというデスメタルギャグ漫画。
読みきりのときは「なにこのフジカラーCMの聖飢魔II」ぐらいの感想だったのが、今ではベルセルクより先に読んでしまう位のはまりっぷりです。
クラウザーさんのライブでのはじけっぷりと、素に帰ったときの苦悩っぷりのギャップが本当に笑える。特にライブでのはじけ方は、クラウザーさん以上にステキな言語センスを持つオーディエンス達によって果てしない高みまで持ち上げられているのが最高にステキ。また、バンドメンバーであるジャギ様(ベース)とカミユ(ドラム)もいい味を出していて、メンバーきってのサディストとされているジャギ様がメイクを落とすと普通にいい人だったり、一見地味なカミユは素顔の方が恐ろしかったり、と細かいところまで見ごたえ十分です。特にジャギ様の中の人の和田君は、3人の中では一番かっこよく、普通だったらイヤミキャラだったりいじめキャラだったりしそうなものなのに、普通に努力家で普通に優しくて普通に気を配れる(たまにハズすけど)ごくごく普通のいい人なのがキュンときます。
中でもクラウザーさん実家に帰る、の回は読み返すたびに悶絶してました…さすがクラウザーさんだ、家族も一筋縄じゃいかないぜ!絵柄がちょっと好みが別れる所だし、読むたびに頭が悪くなるのをビンビンと感じるし、なによりも内容が下品なのであまりおおっぴらにはオススメできないんですが…この途方もないはじけっぷり、一度は読んでみて欲しいです!


あと…この漫画の作者である若杉公徳先生のキャラがすごく気になる。はてなダイアリーでは巻末コメントがまとめられてます。「くじけそうな夜は屋上から「イマラチオ」って叫びます。」とか「アシスタントが18人いるので、額の殺しか書いてません。」とか、漫画内のクラウザーさん以上にキれてます。 そして「漫画家を目指す君へ」的アドバイス漫画では、担当を肩にのせる巨漢として描かれていました。でもそんな際立ったキャラ言動を見るたびに、クラウザーさんとして頑張る根岸君の姿が後ろに見え隠れするのです…ああ、本当はどんな人なんだろう。
ちなみに、えりちん先生の「みたむらくん」では、「語尾がファック」「漫画のコツは友情!!ファック!!!勝利!!!」という、肉食獣のような巨漢キャラ(でも裏で編集長に注意されてしょぼくれてる)として「若松先生」が出演されてましたw


追加:
出たー!DMC地獄の人文字だー!!
http://d.hatena.ne.jp/ellipse/20060529#p1
見ただけで呪われます(笑)