ブラインドネスとハプニング

どちらも、ある日を境に突然世界が変わっていく様子を描いた、静かなディザスタームービー。
「世界が崩壊する」というと、ローランド・エメリッヒ監督の十八番の「宇宙人襲来!」「世界規模の大災害!」みたいなのが定番ですが(そういえば2012も今週末から公開だ!)、この2作品はどちらも始まりはとても静か。
だからこそ、そこから静々と染み入るように広がっていく恐怖が、「いつかくる世界の終わりはこんなカンジだろうか」と言うことを感じさせて、ジワジワと怖いです。

ブラインドネスのほうは、「感染、そして隔離」
ハプニングのほうは、「恐怖、そして逃走」
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と、原因も手段も違うけれど、情報が小出しにしか伝わってこないというじれったさが逆にリアルに感じさせたりして、ドキドキしながらラストシーンまで楽しめました。
ハプニングのほうは、結構スプラッタなシーンも多いし、わりと最後までノンストップで怖いので、心臓が弱い人にはオススメできないんだけど…
ブラインドネスは、一番最初の発症者になる日本人男性とその妻が、目が見えなくなってから焚き火に当たりながら「初詣のときのお焚き上げ」の話をするシーンみたいに、非日常の生活の中で日常を思い出したりしながら静かに物語が進んでいくのがとてもよかった。まぁ、怖いんだけどね!

「世界の終わり」といえば、ゾンビものもそうだね。
ロメロ監督のゾンビシリーズ最新作「ダイアリー・オブ・ザ・デッド」は、映画監督志望の若者がとったムービーでつづられる、「自分から見える範囲」だけで進むゾンビ映画
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「今世界はどうなっているのか?」が、ニュース映像ではなく、個人が撮影したムービーをネット上にアップしたもので語られているのがちょっと新しい感じでしたよ。
ビデオカメラでの個人撮影が映画になっているパニックものでは、「クローバーフィールド」も良かった。
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ビルの隙間、夜の闇にまぎれてチラリチラリと姿を見せる「なんだかよくわからないけれど巨大で怖いもの」から逃げ回るというのは、絶望感をかなり煽ります。
映画って、たいていはかなり上から全世界を見下ろすような神目線で作られているわけなんだけど(同じ時間にほかの場所で起こった出来事を知ることができたり、当事者しかわからないような思い出や出来事が語られたり)、ブレアウィッチプロジェクトみたいな完全一人称視点での映画や、宇宙戦争みたいに「世界中で同じ出来事が起こっているみたいだけど自分はただひたすら街中を逃げ回るしかない」みたいなシチュエーションというのは、臨場感があってすごく好きだなー。この手の映画では「●REC」というのが面白いみたいなので、今後また見てみたいと思ってます!