ブラッド・ダイヤモンド

クリスマス前に見たい映画:ドロドロ編。
ブラッド・ダイヤモンド [DVD]
しょっぱなの部族同士の対立で、家族が逃げるシーンですでにメゲそうになりました。同じ国に生きる人間なのに、無差別に銃をうち、捕まえたら笑いながら手足をなたで切り落とすという無軌道な虐殺。捕まったら殺されるという緊張感の中、必死で逃げる家族の姿があまりにも切羽詰っていて、映画の中なのに必死で応援したくなったよ…
その後、家族はバラバラになり、息子は少年兵として仕立て上げられ、精鋭として洗脳されていきます。人に銃を向けることをためらわなくなった彼の姿に、必死で家族を守ろうとしていた父親の姿、父親と隣同士歩きながら「勉強して医者になる」という夢を語っていた時の姿がオーバーラップして、「どうしてこんなことに…」と落ち込んでしまいます。映画の中なのに。
そんななか、巨大なダイヤの原石が見つかったところから、家族のつながりと部族間の紛争、武器業者とアメリカのダイヤ業界の闇にまでぐいぐいと話が転がっていき、体を前に乗り出しながらあっという間に2時間半が過ぎていました。社会派ドラマとして存分な密度が詰まっていながら、アクション映画としても満足できる展開。すごい映画です。
私の中では、レオナルド・ディカプリオってひたすらに若くて「軽い」イメージ。こんな暗くて重い映画で浮くんじゃないかと思ってたんだけど、ダイヤ密売人として強欲にピンクダイヤに喰らいつくという貪欲で骨太な役を演じていて、ちょっと印象が変わりましたよ。

そして結末として「デ●アスは悪い会社だな!」という印象が残って、ダイヤモンドの永遠のきらめきが少し薄汚れた印象になります。クリスマスを前にして、ダイヤがほしくなった・ねだられたときに見る映画。