寝る前にもう一冊だけ、とおもって岩井志麻子の「岡山女」を。明治時代の岡山を舞台にしたホラー短編集。前作「ぼっけぇ、きょうてぇ」に比べるとセリフ部分にしか方言が使われていないためか、岡山が舞台とはあまり感じられなかった。それになにより、怖くない。両親の設定のせいか、あまり暗さも感じられない。救いのある暗さというか…。さくっと読めるのと、時代背景が結構緻密に書かれているので明治時代を感じたい人には楽しい本かも。どんよりと濁った暗くて怖い話を読みたいのなら、「ぼっけぇ、きょうてぇ」の方が断然いいとおもった。