働くこと、お金のこと、人と自分を比べる、と言う事。

なにかの拍子に娘とお金のことを話していて、「たくさんお仕事するとたくさんお金がもらえるよ」といったら「どうしてたくさん仕事をするとたくさんお金がもらえるの?」と聞かれたの。
あまり深く考えずに「だって、たくさん仕事した人とあまり仕事してない人と、もらえるお金が違ってたらいやじゃない?」といったら、また「なんで?どうしていやなの?」
うーん、と迷って、「じゃあ、ゆうちゃんがたくさんお仕事してチョコレート1つもらって、お父さんがちょっとしかお仕事してないのに同じだけチョコレートもらったらどう思う?」と言ったら

「お父さんに、『やったぁ!いっしょに食べよう!』って言うよ!」

…ガーン…

人は人、自分は自分、とか、人と自分を比べない、とか、頭ではわかっていたけど、とっさに出てきた例えが「人と比べる」事だったのが自分で恥ずかしいし、まだ無垢な娘に「人と比べてひがむ」という価値観を覚えさせてしまいそうだったことが何よりも恥ずかしい…
でも難しいなぁ、お金の話…仕事とお金の話は、また改めて自分の中でまとめておいて、ゆっくり娘と話さねば!と思いました。そして自分の中にある「ひがみ」観…これはどうすればいいのかなぁ…
まだまだ勉強ばかりの母親業です。


それと関連してるんだけど、最近買った本が、西原理恵子
「この世でいちばん大事な「カネ」の話」。

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

この世でいちばん大事な「カネ」の話 (よりみちパン!セ)

扱いとしては「児童書」なんだけど…。
これが、面白かった!
働くということを考える年になった子供(中学生ぐらいか?)、そしてカネと仕事の立ち居地や割合について迷っている大人のための本かな。
カネにまつわる抽象論ではなくて、「カネ」を軸とした西原理恵子の自伝、そこからわかったこと、という書き方なので、実に頭に染みこみ易い。いわゆる「成功者談話」的なものなのかもしれないけれど、「だからこうしろ」「こうすれば成功する」みたいなものじゃないので押し付けがましくない。
サイバラファンだと、すでにエッセイとかで読んだことがある話も多いんだけど、流れにそってブワーッと書かれているので勢いもあるし、わかりやすくまとまっていて良かった。「ぼくんち」や「パーマネントのばら」みたいな作品の根底に流れている「貧しさ」と、そこからくる「なにもできない、どうしようもないという諦観」の根っこが分かる感じです。

私を含めての話なんだけど、今この文章をネットで見ることができる、というような、いわゆる普通の生活をしている人にとっては、「貧困」というのは割と縁遠いものだと思います。だからこそ、「お金」のイメージがふわふわしていて掴み辛い。なかったら困るなぁ、たくさんあれば贅沢できるかなぁ、みたいな。
本当に何もない、というレベルの貧しさだと、お金はまったく違う意味を持ってくるし、重みも違ってくる。
子供が成人して働き始めるとき、なんとなく親の経済基盤を引き継いでしまうと(実家に住みながら働くとか一人暮らしの費用を出してもらうとか、いざとなっても親に頼れる状況があるとか…)こういう「ゼロからはじまる生活」は身に沁みないだろうし、お金の意味やお金の価値、お金ができることにも気がつきにくいのかもしれない。
でも、たとえば仕事が嫌になっちゃったときとかに、「自分はなぜこの仕事をしてお金を稼ぐのか?」という疑問が出てきたときに、こういったお金の価値を自分で測れないと、羅針盤がぶれることもあるんだろうなぁと思いました。

買った後に一気読みしちゃったんで、時間を置いてからもう一度ゆっくり読み直したいなぁ。オススメ本です!

そして、この本が連ドラになるみたい。
http://gakeppuchi.asahi.co.jp/
明日の夜スタート。毎週金曜夜9時から。
映像化…正直期待薄だけど、とりあえず見ようかな…